愚者の群れ
1. 聖火リレー
2008年3月14日のチベット騒乱を受けて、4月に世界を巡った聖火リレーは各地で前代未聞の騒ぎを引き起こした。
先ず、ロンドン、パリで激しい抗議活動が行なわれ、特にパリでは聖火の火が三度消され、リレー中断を余儀なくされた。これに危機感を覚えた中共は、各国の大使館を通じて中国人留学生達に大量動員を掛けたが、これがますます聖火リレーを異様なものにした。集まった数千人の中国人達は、五輪旗でもその国の旗でもなく中国国旗ばかりを打ち振り、沿道を赤く染めた。彼等は｢中国は一つ! 中国頑張れ!｣と叫び続け、その数と声と赤旗で中国に抗議する人達を威圧した。キャンベラでは中国人グループがチベット支持者から旗を奪い、引き裂いて燃やした。長野では中国人による多くの暴行事件があったが、中国人を逮捕しないようにとの指示を事前に官邸から受けていた警察は、見て見ぬ振りをした。日本警察は日本人五人、亡命チベット人一人(リレーの列に飛び込み涙ながらの訴えをしたタシ・トゥリンさん)を逮捕したが、中国人は一人も逮捕しなかった。何とふざけた話だろう。
しかし、今回の聖火リレーのクライマックスは、その翌日にやって来た。4月27日、韓国ソウル市内に集まった約6000人の中国人留学生達の行動は、長野よりも更にエスカレートした。彼等は中国に抗議する人達にペットボトル、石、工具を投げ付けた。(新聞記者が負傷。)また、チベット支持者二人をホテルのロビーまで追い掛けて取り囲み、暴行した。これらの蛮行は韓国世論の怒りを招いたが、中国政府は例によって謝罪しなかった。(が、韓国政府は暴力行為をした中国人を国外強制退去処分にし、ビザ厳格化の方針も打ち出した。ちょっと悔しいが、日本政府より遥かにまともな対応をしたと思う。)
さて、それでは、今回の聖火リレーは中国にとって成功だったのだろうか。---大失敗だった、と私は思う。これほど世界各地で抗議活動が起こっても、中国政府はチベット人弾圧を続け、チベットから外国メディアを締め出し、ダライ・ラマを悪し様に罵り続けた。世界の人々は、居丈高に聖火ランナーに指図する青ジャージの聖火防衛隊と、沿道を赤旗で埋め尽くした中国人達に異様を感じた。そして、彼等の幼稚な主張に呆れ、乱暴狼藉に強い嫌悪感を抱いた。つまり中国は、できることなら隠しておきたかった中共と中国人の実態を、今回世界に見せてしまったのだった。
私がこれほど日々のニュースを熱心に追い求めたのは、三年前の反日デモ以来のことだった。三年前私は、どうしてみんな、日本人も外国人も中国の正体に気付かないのだろう、ともどかしい思いをしたものだった。ところがどうだろう。この一か月でその思いは見事に解消されたのだった。(日本ではその前、1月に毒餃子事件があったが。)2008年4月、世界は中国が最悪の国であることをはっきり認識した。愚かな反仏デモは、欧米人達の中国幻想を打ち砕いた。(あれは実に素敵だった。)更に、これまでどちらかと言えば反日親中だった韓国人までが、中国人は大人しい日本人などとは比べ物にならないほど恐ろしいことを、今回身に染みて感じたのだった。
多くの人が、今回の聖火リレーは意味がなかった、あれは聖火ではなく恥の火だった、などと言っている。が、私はそうは思わない。もしもこの聖火リレーがなかったとしたら、これほど多くの人々の声と思いは表に出なかっただろう。そしてチベット問題は、事を荒立てたくない各国政府と中国政府との間でうやむやな決着が図られてしまったことだろう。行く先々の国々で正義と悪をくっきりと色分けしていったあの火は、やはり聖火だった、と私は思う。
2.中国人(漢民族)の民族性
中共の邪悪さと中国という国の酷(ひど)さについては以前に書いた。今回は中国人(漢民族)の民族性について書いてみたい。
一般に、中国人(漢民族)は利己主義者(エゴイスト)で功利主義者だ。自分(と家族)が一番大事で、他人などどうなっても構わない。炭鉱主は安全対策を行なわず、工場主は汚水浄化装置を付けない。(お金がかかるから。)農民は市場には農薬漬けの野菜を出荷し、自分達だけ安全な野菜を食べるという。中国人(漢民族)は人に頭を下げることを嫌い、絶対に謝らないし、｢ありがとう｣も滅多に言わない。だから、何かトラブルが起きれば、際限のない自己主張、口論、罵り合いとなる。他国の留学生は日本文化に惹かれて日本に留学してくることが多いが、中国人だけは殆ど金儲けが目的だ。だから彼等は学業よりもアルバイトを優先するし、長く日本にいても日本や日本文化に大して愛着を持たない。と言うより、彼等はそもそも何に対しても殆ど愛情を示さない。彼等の心は常に渇いていて、潤いを知らない。
和辻哲郎氏は名著『風土』の中で、中国人(漢民族)の民族性を｢無感動的｣｢無政府的｣と評した。彼等は人間にも動物にも物にも自然にも愛情が薄く、政治にも無関心だ。一方、日本人はと言うと、(政治についてはあまり関心が高いとは言えないが)恐らく世界で一番外界の事物に対して愛情を注ぐ民族だろう。この点において、日本人と中国人(漢民族)は対極にあり、水と油のような関係と言える。(勿論日本人が水で中国人が油だ。)中国人(漢民族)を理解しようとするのは無駄だからやめた方がいい。
自分勝手でうるさくて、相手の迷惑を考えず金儲けにしか興味がなく、モラルもマナーもなく人も自然も愛さない中国人(漢民族)は、まるで10歳で精神的成長が止まってしまった子供のようだ。彼等は他の民族に比べてはっきり民度が低く、他の民族が持っているような精神的美点を何一つ持ち合わせていないように見える。いや、愛国心があるじゃないか、と言われるかもしれない。が、彼等の所謂(いわゆる)愛国心は、他の民族の愛国心とは違う。中国人(漢民族)のそれは、｢漢民族絶対優位感｣｢民族エゴイズム｣と言った方が正確だと思う。
今回のチベット騒乱を巡る報道を受けて、｢西側メディアは嘘つきだ｣と中国人(漢民族)達は声高に主張した。しかし、｢西側メディアは嘘つきだ｣と主張するならば、彼等はチベットで起きたことの真実を知っていなければおかしい。チベットで弾圧も拷問も虐殺もなかったと、はっきり確信していなければおかしい。彼等にどうしてそんな確信が持てるだろうか。(武漢の反仏デモで、一人の中国人が｢WE NEED TRUTH｣と書かれたプラカードを持っていたのには笑った。)
彼等は、実を言えば真実などどうでもよくて、ただ中国が悪く言われているから、そして中国が悪く言われているということは自分が悪く言われていることだと思ったから、がむしゃらに猛反発したに過ぎない。そして、もっと言えば、彼等は本音ではチベット人などいくら殺されたって構わないと思っている。チベット人は漢民族ではないのだから。漢民族でないということは、即ち劣等民族なのだから。｢全ての人間は平等であり、人権を持つ｣などという思想は、中国人(漢民族)にとっては笑止な絵空事であって、理解の範囲を越えている。
中国人(漢民族)の愛国心と呼ばれているものは民族エゴイズムであり、「中華思想」と呼ばれているものは露骨な人種差別意識だ。世界の多くの人が、今回そのことを感じ取ったと思う。
3.愚者の群れ
前に私は、中国共産党の五つの特徴を挙げた。
1.絶対に謝らない
2.真実に価値を置かない
3.言葉を信じない
4.人命を重んじない
5.力しか信じない
この後に｢ことが多い｣とか｢傾向が強い｣とか付け加えれば、それはそのまま中国人(漢民族)の特徴となる。今回の聖火リレーで、中国人達はチベット旗を持った人々を威圧し、罵り、攻撃し、暴行した。アメリカデューク大学の王千源さんは、中国人達にチベット支持者との対話を呼び掛けただけで集中砲火的な非難を浴び、中国の実家には汚物が撒かれた。彼等のやっていることは、｢俺達は言論の自由なんか絶対に認めないぞ｣ということに等しい。子供は親の言うことは聞かなくても、親の行為は真似するものだ。彼等は正(まさ)しく中共の子供だった。
中国国内の中国人ならばともかく、自由に情報を得られる国外にいる中国人までがなぜあのように主張し行動したのか、多くの人が疑問に思った。勿論中共の洗脳教育と力による支配は大きな要因であるだろう。(中共は国外中国人達を常に監視している。)が、それだけではない。中国人(漢民族)特有の｢中華思想｣と呼ばれる誇大妄想的民族エゴイズムもその大きな要因であったことを、はっきり指摘しておかなければならない。
彼等はチベット民族大虐殺を信じず、中共がチベット民族を解放したと信じる。彼等は西側メディアの報道を信じず、西側メディアが嘘をついていると信じる。なぜなら、そう信じたくて仕方がないから。彼等の思考は実に単純だ。論理も真実もどうでもよくて、ただ中国に対する批判に条件反射的に反発する。彼等は常に、中国は世界一だと誇りたい。だからもう、彼等は民主化運動など行なわない。そんなことをしたら、中国が世界で最も遅れた国の一つであることを、自ら認めることになるから。(つまり、またビリからスタートしなければならなくなるから。)反対に、中国が世界一、とまでは行かなくても世界有数となれそうなものはと言うと、国土の広さ、経済力、軍事力の三つだろう。だから彼等は絶対に国土縮小(例えばチベット独立)を認めないし、むしろ国土拡大(例えば台湾併合)を望む。
19年前、民主化運動に燃えた若者達の姿は、もはや影も形も見えない。現代の中国人(漢民族)達は、中共にとって実に都合のいい、そして他国に迷惑と危害を与える愚民に成り下がった。世界の多くの民族が進歩を遂げる中、中国人(漢民族)ははっきり退歩した。
4.中国の定義
中国とは一体どんな国なのか。中国という国の一番の特徴は何か。様々な見方があるだろうが、私は中国を｢世界で一国だけ植民地を持ち続け、尚且つその拡大を狙っている国｣と定義付けたい。
第一植民地は農村だ。中国では都市戸籍と農村戸籍を分け、農村に生まれた者は都市戸籍を持てない。(世界でこんなことを行なっている国は他にない。)貧しい農民達は都市に出稼ぎに行って民工となるが、差別され、低賃金で重労働をさせられる。中国の人件費の安さはこれが下支えになっていて、要するに国策として農民を搾取しているからだ。人件費が安いからという理由で中国に進出した外国企業は、意識的にせよ無意識的にせよ、この農民差別を容認していることになる。中国の都市住民たちは農民達を見下し、｢猿｣と呼んでいるそうだ。
第二植民地はチベット自治区、新疆ウイグル自治区、内モンゴル自治区などだ。自治区と呼ばれているが勿論自治など認められていなくて、中共はチベット人やウイグル人を情け容赦なく弾圧し、大量の漢民族を送り込みつつ民族浄化を進めている。中国社会は、簡単に言うと、官-都-農-異という身分社会と見ることができる。この身分格差は、日本の江戸時代の士農工商などよりも遥かに厳しく容赦のないものだ。
第三植民地は、中国が将来植民地化を狙っている地域、即ちネパール、北朝鮮、沿海州、台湾、沖縄等だ。私は以前、尖閣諸島領有権問題が最も重要だと思っていたが、最近はちょっと考えが変わった。いや、勿論それが重要であることに変わりはないのだが、もしも武力侵攻によって日本の領土が奪われたら日本人は激しく反発するだろうし、アメリカも黙っていないだろう。けれど、もしある地域に大量の中国人(漢民族)が流入してなし崩し的に中国領となってしまったら、それを奪い返す方が遥かに難しいだろうし、それ以前にその地域は犯罪だらけとなり滅茶苦茶にされてしまうだろう。中国の人口侵略こそ、最大の脅威だ。密入国者は勿論のこと、就学生、留学生、研修生、国際結婚、観光客等、どんな形にせよこれ以上中国人(漢民族)が日本に流入してくることに私は反対する。
5.九大文明世界観
1.日本文明
2.西欧文明
3.仏教文明
4.東方正教会文明
5.ヒンドゥー文明
6.アフリカ文明
7.ラテンアメリカ文明
8.イスラム文明
9.中国文明
日本人も中国人も欧米人も、世界中の多くの人が、今なお｢アジア｣｢東洋｣といった区分けを信じていて、そのため多くの愚かで滑稽な理念が幅を利かせている。例えば、ブッシュ大統領は、｢日本が見事に民主化されたのだからイラクやアフガニスタンでも民主化は成功する｣というようなことをよく言う。これは、日本もイラクもアフガニスタンも同じアジアの国だから、という前提に立っているのだが、その前提がそもそも間違っている。日本は日本文明圏に属し、イラクやアフガニスタンはイスラム文明圏に属する。日本は元々民主主義的な素地があったから民主主義は見事に根付いたが、イスラム諸国でそれを行なおうとすれば遥かに多くの困難が伴う。そして、イスラム諸国よりも更に民主化が困難と思われるのが中国だ。
九大文明世界観に立てば、多くのことがクリアになる。例えば、今アメリカはヒスパニック系移民、ドイツはトルコ移民、フランスはアルジェリア移民の問題に頭を悩ませている。これは別文明からの移民を大量に受け入れてしまったからだ。同じ文明圏(或いは近い文明圏)からの移民ならば、それほど問題にならなかっただろうに。EUはトルコを加盟させるべきではないだろう。なぜならトルコはイスラム文明圏に属するから。
上の番号はアトランダムに付けたのではなくて、私の印象として日本文明に近い順に付けてみたものだ。日本文明は西欧文明と仏教文明に最も近く、中国文明に最も遠い。(理由は前に書いたとおり。)日本は外国からの移民を受け入れないのが一番だが、もしもどうしても受け入れざるを得なくなった場合でも、西欧文明圏、仏教文明圏、東方正教会文明圏あたりからなら、それほど大きな問題は起きないだろう。が、ラテンアメリカ文明圏、イスラム文明圏からの移民は問題を引き起こすだろうし、中国からの移民は最悪と言える。今、福田自民党も小沢民主党も、より多くの中国人が日本に入って来られるような政策ばかり打ち出している。これがどんなに恐ろしく、日本と日本人に危害を与えることなのか、彼等は想像できないらしい。
｢外国人｣｢国際化｣｢グローバル化｣といった言葉にもまやかしが潜んでいる。一まとめに｢外国人｣と言ったって、例えばイギリス人やタイ人と中国人とでは全然違うからだ。日本人はイギリス人やタイ人とならすぐ打ち解けるだろうし、お互いの歴史や文化を理解し合うこともできるだろう。けれど、中国人とは無理だ。この間NHKの、海外からの観光客増加をテーマとする番組を見たが、欧米人観光客と中国人観光客を同列に扱っていた所に、いかにもNHKらしい中国擁護姿勢を感じた。(欧米人と中国人とでは日本へ来る目的がまるで違うというのに。)私は欧米人にはどんどん来てほしいと思うが、マナーもルールもなく失踪して不法滞在者となる可能性のある中国人にはできるだけ来てほしくない。
世界は大きく九つの文明圏に分かれる。だがもしも、この九つの文明圏を二つのグループに分けるとしたら、どこで線を引くべきだろうか。私は、中国と中国以外の国々に分けるべきだと思う。なぜなら、中国だけが人命を尊重しないから。中国だけが露骨な人種差別意識を持ち、しかもそれを恥じないから。中国だけが大々的に自然を汚し、しかもそれを悪いと思っていないから。中国だけが無宗教だから。(これを指摘する人が殆どいないのだが、とても重要なポイントだと思う。中国は宗教を破壊してしまった。) 21世紀、人類の最大の課題は中国問題だろう。
One world, one nightmare.
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